「公務員は安泰?オワコン?」
どっちもよく聞きますが、実際の公務員の給料を把握していますか?
田舎の地方公務員なんて決して良い給料をもらっているわけではないし、国会のキャリア組はえぐい額貰ってます。 「公務員なっとけば安泰でしょ」って言ってる方は公務員って職種も多いし、都道府県によって金額はかなり違いますから一概には言えないんですが、ある程度の給料を知っておくべきだと思います。 今回は現役公務員の私が【令和2年国家公務員給与等実態調査報告書】と【令和2年地方公務員給与実態調査結果】を元に公務員の給料事情をまとめてみました。
公務員の給料形態
国家公務員と地方公務員とでは給料体系が異なります。 国家公務員は、「俸給表」をもとに決められた給料とボーナスが支払われる仕組みです。 一方、地方公務員は俸給表ではなく、各自治体で定められた「給料表」によって給料が決まります。

ただし、年齢・勤続年数とともに給料が上がっていくのは同じです。
俸給とは国家公務員の基本給を指しますが、客観的に見た職務の難しさなど、仕事内容に応じた給料になるため、職種によっても給料が異なります。 給料は年齢・勤続年数とともに確実に上がっていくため、若いうちは年収が低くなっています。 また、俸給は能力に関係なく一律ですが、ボーナスは勤務実績によって決まるのが一般的です。
また、公務員の年収は、国全体の平均値をオーバーし過ぎたり、または不足したりしないように設定されています。 オーバーし過ぎていると、国民からの不満が発生しやすくなるためです。一方、不足していると公務員のなり手がいなくなって、人員不足に陥ってしまいます。 このように、公務員の給料は、若いうちはそれほど高くはありませんが、所属しているだけで年々上がっていくのが特徴です。
民間企業と比較すると?
ニュースなどでも公務員の年収は高いと聞きますが、実際にはどの程度でしょうか。
国税庁の「令和元年分民間給与実態統計調査結果について」によると、民間企業の平均年収は約436万円です。 また、一般的には年収600万円を超えると給料は高いといわれています。 そのため、平均年収で見れば公務員の給料は民間企業より高く、安定しているのが特徴です。 ただし、あくまで平均年収なので、年収2,000万超えのキャリアもいれば、300万以下の若手職員もいます。
生涯獲得年収を見れば、公務員は高所得の方でしょう。
公務員の平均給料は?
公務員は、大きく国家公務員と地方公務員に分けられます。 国家公務員の場合、総務省の「令和2国家公務員給与等実態調査結果」によれば、平均給与月額は約42万8,672円です。 さらに、夏と冬のボーナスを合わせた4.45月を加えて計算すると、平均年収は約705万円となっています。
一方、地方公務員の場合、「令和2年地方公務員給与実態調査結果」によれば平均給与月額は41万2,070円です。 さらに、夏と冬のボーナスを合わせた4.45月を加えて計算すると、平均年収は約674万円となっています。
公務員の職業・業種
公務員は【国家公務員】と【地方公務員】に分類され、何が違うのかと言うと、国家公務員とは採用先が立法、司法、行政といった政府を支える国の機関です。 国家公務員はキャリア官僚と呼ばれるエリートの「総合職」特別な資格が必要な場合もある「専門職」キャリア官僚の政策を執行する実行部隊の「一般職」の3つに分類されます。 地方公務員は採用先が地域の行政サービスを行う地方自治体のことで、県庁や市役所など私たちに最もゆかりのある業種です。 公務員の約8割が地方公務員であり、大きく「行政職」「資格・免許職」「技術職」「公安職」の4つに分かれている。 学歴や資格によって試験の難易度が「上級」「中級」「下級」と分類されている。
【公務員】職業別年収
公務員は職業によって給料表が違うため、年収は大きく異なります。 公務員の最高年収は内閣総理大臣で、年収は約4000万です。 逆に高卒で一般職についたとすると、自治体にもよりますが、年収約200万程度しかありません。 後に年齢別で年収を紹介しているので、参考にしてください。 業種別平均年収(2020年調べ)
職種 | 年収 |
総理大臣 | 約4200万 |
国務大臣 | 約2953万 |
副大臣 | 約2833万 |
国会議員 | 約2190万 |
知事 | 約1797万 |
副知事 | 約1340万 |
都道府県議員 | 約1259万 |
国連職員 | ミドルレベル約925万 シニアレベル1275万 |
公務員Ⅰ種 | 約1500万 |
公務員Ⅱ種 | 約700万 |
官僚 | 約670万 |
税務官 | 約585万 |
刑務官 | 約589万 |
大学教授 | 約1070万 |
私立大学職員 | 約734万 |
国立大学職員 | 約600万 |
高校教員 | 約630万 |
小中学校教員 | 約616万 |
国会議員秘書 | 約930万 |
検察官 | 約862万 |
外交官 | 約650万 |
国税官 | 約585万 |
裁判官 | 約921万 |
労働基準官 | 約660万 |
消防士 | 約641万 |
警察官 | 約700万 |
自衛官 | 約640万 |
病院医師 | 約1150万 |
保育士 | 約300万 |
※公務員の平均年収は年によって大きく異なるのであくまで参考に 年収が高い職業ほど難易度が高く、特別な資格が必要となる職種もあります。 公務員になるための資格
【公務員】年齢別年収
公務員の給料は学歴にって給料が変動しますが、その差は同年齢であればほとんど変わりません。 最初に決めれられた俸給表もしくは給料表によって【〇級〇号】と基本給が決めれられ、手当によって変動します。 給料は継続年数によって一定期間※毎年必ず上がるため、年齢と給料が基本的に比例します。 ※自治体によって給料が上がらなくなる年齢があります。 地方公務員と国家公務員の年齢別平均年収は以下の通り。

大学卒の20歳未満は実際ありえませんが、俸給表に記載の月額から計算したものになります。 中卒、高卒で採用された場合は表記されている年収より少なくなることでしょう。 ここで計算された年収は手当を含まないため、実際はもう少し多くなります。 手当については時間外だけでなく、通勤手当や居住手当など国家公務員だけで50種類もの手当があります。
公務員の手当
公務員の手当については生活を補助する【通勤手当】や【居住手当】、労働時間外に仕事をした場合にもらえる【時間外手当】特別な業務をこなした場合にもらえる【特別手当】があります。 下の画像は国家公務員行政職の給料明細ですが、給料明細は都道府県、自治体、職種によって異なります。
公務員の時間外手当
公務員の時間外手当は【時給×1.○○】という計算になります。 時給の計算は基本給÷173でだいたいの時給が予測されますが、公務員に努めている方は時給が分かるファイルを部署が所持しています。 時間外は主に5つ
- 普通=1.25
- 休日=1.35
- 深夜=1.25
- 普通深夜=1.5
- 休日深夜=1.6
場所によっては夜間と深夜で違いがあるところもあります。 深夜となる時間は22時~5時までが深夜となります。 警察官や消防士のように夜も勤務している場合は深夜のみの0.25が手当として支払われます。 「公務員だから時間外はかっちり出るんでしょ」って思っているなら夢見がちです。 公務員の給料も予算がありますし、月60時間を超えない働きを心がけているため、サービス残業や時間外手当を削減する働きはある程度あります。
公務員の手当種類
公務員が貰える手当の中には生活を補助してくれる手当や勤務地による手当、特別な業務をこなした時に貰える手当など様々あります。 生活を補助してくれる手当がこちら
- 扶養手当
- 住居手当
- 通勤手当
- 単身赴任手当
- 管理職手当
- 地域手当
- 広域移動手当
- 特地勤務手当
- 寒冷地手当
ほとんどが採用先によって金額が異なるので、明確な金額は言えませんが、少ない人でも1~2万程度はあります。 管理職手当などは毎月決まった額を必ず貰えるが、時間外手当がもらえない等という場合もあります。
まとめ
公務員の給料事情をまとめてみると、
- 民間の平均よりは高い給与を貰っている
- 毎年必ず上がるが、若い時は給料が少ない
- 手当は充実している
- 採用先によって給料の幅がかなりあるので、公務員を目指すなら給料は調べておくべき
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